8dio 1990 Studio Grand Pianoのレビュー

まとめ(簡易)

  • アンビエントやクラシックの緩徐楽章など深みのある曲向け、派手な曲はやや難あり
  • 刺激が少なめの耳にやさしいピアノ
  • けっこうクセが強め、汎用性はあまり無いかも
  • 読み込みがかなり遅め

製品ページ(本家)→https://8dio.com/instrument/studio-piano-vst-au-aax-kontakt-instrument/

概要

 2021年6月の8dio全製品半額クーポンで買いました。このピアノ音源はKontaktフルバージョンでのみ動作しますので要注意です。ところどころで噂になってたので気になってましたが、いろいろあって購入が遅れました。ヤマハC7をサンプリングしたグランドピアノ音源です。
とりあえず、過去に作ったMIDIをそのまま突っ込んだmp3をどうぞ。

ブラームス / ワルツ第14番 嬰ト短調

 軽くマキシマイザーを刺して印象が変わらない程度に音量を上げている以外は、読み込み直後から何も触らない状態です。ふわりとしていてお上品。マイルドで心地よい音です。鳴らす曲は完全に気分で選びましたが、そこそこマッチしてくれたと思います。このようなクラシックの他にも、ジャズやバラード、アンビエント等の落ち着いたムードの曲には溶け込んでくれそうな音です。
 一方で、テンポの早いポップスやトランス、ピアノが打楽器のような扱いの曲などは、音が柔らかすぎてあまり合ってくれなさそうです。

特徴と注意点

・フルバージョンのKontaktが必要です。Kontakt Playerでは動作しません。
・アタック音が非常にソフトで、叩きつけるような音はしません。ノートオン時のハンマーノイズの音は調整可能です。
・マイクポジションの切り替えができるのですが、マイクのどれかのポジションが微妙にズレて鳴るようになってしまうこともあります。これが独特の味を出すことがあるのですが、狙うのがなかなか難しいです。
・ペダルを踏み込むときの「ガタッ」という音も調整可能なのですが、かなり大きな音が出るように調整することができます。たまになる分にはシーンを選べば心地よい音なのですが、踏み変えが頻繁なデータでは少しうるさく感じることがあるので要調整です。
・付属のリバーブは調整できるパラメータが少なく、使い勝手はあまり良くありません。
・同じ数字のベロシティでノートオンを送ったときの音の質感が音の高さによって少しばらつきがある印象があります。マイク設定次第でかなり変わるのでデータの調整がやや難しいです。逆に言うと生演奏っぽいベロシティが書きやすい・・のかも。
・読み込みが非常に重いです。Batch re-saveを使わないと開くごとに数分待たされれます。使った後もそこそこ重いです。
・低音域がかなり強い音が出ますので、EQ等で削ってあげるとミックスしやすいです。
・ベロシティカーブの調整機能は無いので、他のピアノ音源のデータを使い回せない場合があります。
・ベロシティを低めにするとかなりこもった音になります。
・マイクロチューニングスクリプトは問題無く動きます。

音作り

 音源本体はマイク調整とリバーブぐらいしかやることがないので、エフェクターを使って音色づくりをすることになります。低域をEQ削ってあげた後に他のエフェクターを刺していったほうがいいと思います。EQやサチュレーションで高音を補強したり、使いやすいリバーブを刺したりといった処理は割とよくやることになると思います。サイドへの広がりがそこそこある音源なので、Mid成分を強くする必要があるかもしれません。

まとめ(まとめ)

とにかくソフトで聴いててホッとするピアノですが、他のピアノ音源とは少し使い方が違う感じがしましした。柔らかい音がとにかく欲しいジャンルではかなり活躍すると思いますが、普通のピアノが欲しいなら他の音源の方がいいと思います。フェルトピアノ音源とは音のスケールの大きさで差別化できるでしょう。HDDにライブラリを置いても一応使えますが、SSDに置かないと立ち上げるのがかなり億劫になると思いますので、ストレージの容量ともよく相談しておく必要があります。

オマケ
  EQ(低域カット)→Oxford Infrator→薄いリバーブ
とエフェクトを刺してほのかに強化したバージョンのブラームスのワルツ第14番嬰ト短調をどうぞ。

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